第11回 日本フットボールリーグ 前期第4節 FC町田ゼルビア 0-3 FC刈谷 前半 0-1 後半 0-2
日時:2009年4月5日(日) 会場:町田市立陸上競技場 入場者数:2,104人
得点 41分 FC刈谷 86分 FC刈谷 89分 FC刈谷 |
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「浮上のきっかけは必ず来る。そのきっかけを掴むために、自分たちができることをやり続けるしかない。僕たちはできると信じている」ー主将・酒井良
「長いシーズン、こういう時期もある。ウチがJリーグに昇格できる実力を持っていると、自信を持って思っている。」ー監督・戸塚哲也
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4月5日、町田市立陸上競技場で開催されたホーム第2戦、FC町田ゼルビア vsFC刈谷。暴風だった前回のホーム試合とは打って変わって天候に恵まれたこ の日は、2,104人もの観衆が詰めかけた。ゼルビアのホーム初勝利が観たい! という期待感が野津田に充満していた。 2連敗と結果の残せていないゼルビアは、前節からの布陣変更を行う。MFと して起用されていた飯塚がFWに、金東秀が右の中盤に、左のサイドバックに今 季新加入の斉藤が出場した。
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この日は試合序盤から、ゼルビアのリズムで試合が進み、主導権を握ること に成功。蒲原と飯塚のパス交換や、石堂の左足からの正確なロングパスなど、 各人が持ち味を発揮し、FC刈谷を攻め立てた。 27分には、ペナルティエリア左からドリブルで侵入した蒲原が飯塚と壁パス で相手のマークをかわしフリーに。そこから、虚を突くループシュートを放つ もわずかにゴールの上。32分には、左サイドで巧みなトラップから前を向いた 山腰が、対面した相手DFの股を抜いてペナルティエリアへ侵入。角度のないと ころから、右足を思い切り振り抜いたが、相手GKが辛うじてセーブ。こぼれ球 に飯塚が詰めたが、わずかに合わず決定機を逃した。40分には弧を描いて ファーに向かった石堂の右CKを山腰が頭で合わせるもわずかにゴール左にそれ てゴールならず。41分には、前線からの積極的な守備で高い位置でボールを奪 うと、山腰が持ち込みミドルシュート。シュートは惜しくもGKの正面に飛び ゴールならず。 ポゼッションもゼルビアが圧倒し、危ういシーンはほとんどなし。得点は時間の 問題と思えるゲーム展開。「今日こそホーム初勝利を果たしてみせる!」という 選手の想いが伝わってくるゼルビアの前半の猛攻。 しかし、そんな前半もそろそろ終わり迎える43分、刈谷に右CKを与えてしま う。もっとも警戒すべき時間帯。ベンチで戦況を見つめていた酒井も「嫌な流れ だな」と感じていたように、スタジアム全体が、攻め続けた後に訪れた久 しぶりのピンチに対し妙な緊張感で包まれていた。刈谷の司令塔の日下が蹴っ たボールはニアサイドにできたゼルビアと刈谷の選手の人垣を超えてゴール中 央に。そこに今季すでに2ゴールをあげている池上がフリーで飛び込みヘディ ング。圧倒的に攻めたゼルビアが先取点を与えてしまった。ゼルビアにとっ て、改めてサッカーの怖さを感じさせられる展開となったしまった。
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後半、刈谷は先取点を得たことで、さらにカウンターサッカーの色を強め る。ゼルビアはボールを保持し主導権を握るものの攻めあぐねる展開が続き決 定機を作ることができない。50分には、相手選手から強引にボールを奪った山 腰がペナルティエリア外から強烈なミドルシュート。ボールはゴール左上を正 確に捉えていたが、相手ゴールキーパーが反応しわずかにゴールならず。 山腰は、このシュートですでに5本目。昨年から2トップを組んできた相棒 の勝又の長期離脱により得点源としての自覚が強くなったのか、強引にゴール へ向かう姿は凄みさえ感じさせた。この日も、体を張ったプレーで、前線から チームを鼓舞した。開幕戦以降、得点は生まれていないが存在感は試合の度に 増して来ている。 56分には、ラフプレーで刈谷のMFが退場し、数的優位に。ゼルビアはさらに 攻勢をしかけるが、8人で守備ブロックをつくる刈谷の牙城を崩すことができ ない。相手が待ち構える真ん中にロングボールを蹴り、跳ね返されるケースが 目立った。山腰や蒲原など個人での打開で時折チャンスを作るものの、後半は チームが連動してチャンスを作ることはなかなかできなかった。
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次第に焦りがつのる62分、負傷で離脱していた主将の酒井が今季初出場。ス タンドからの大歓声を背に、約4ヶ月ぶりの公式戦のピッチへと足を踏み入れ た。ロングボールが増え自分の頭の上をボールが通過する難しい展開のなか、 負傷明けとは思えない動きで攻守に走り回り、逆転に向けてチームに勢いと落 ち着きを与えた。 74分、前半から体を張ったプレーをしていた山腰がセンタリングに飛び込 み相手GKと交錯。これがラフプレーと判断され、この日2枚目の警告で退場。 数的有利がなくなりゼルビアは苦しい展開。直後の75分、飯塚に変えてDF登録 の深津を前線に投入。長身の深津へロングボールを放り込むパワプレーで活路 を見出そうとした。42分には斉藤の正確なロングクロスに深津が反応。後ろか らくるボールに体をひねり、なんとかゴールに流し込もうとするが、わずかに ゴール右にそれて得点ならず。その後も、深津は空中戦で競り勝つものの得点 にはつながらなかった。 後半も残り10分頃には、ディフェンダーでヘディングで圧倒的強さを誇る 山崎もトップに貼らせ、高さのないFC刈谷に対し、捨て身で勝ちに出る。 「何としても1点をとる」と益々攻撃的になった 86分、またしても警戒すべき 終盤に2失点を献上してしまう。原因は、どち らも集中力の欠如から来るミス。5分あったロスタイムを含めた勝負の時間帯 を前に、勝敗が決してしまった。
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前節のソニー仙台戦から良い内容のサッカーが出来はじめてきたものの、相 手に先取点をとられる苦しい展開から失点を重ねてしまっている。今はJリー グ昇格へ向けて試練のときなのかもしれない。 次節は、横河武蔵野FCとの東京ダービー。サッカーどころ町田の意地とプラ イドにかけて勝利したい一戦だ。 |
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写真/安孫子卓郎 |
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リリース掲載日:2009年4月6日 |