第11回 日本フットボールリーグ 後期第4節 Honda FC 0-3 FC町田ゼルビア 前半0-1
日時:7月25日(土) 18:00 KICK OFF 会場:Honda都田サッカー場 入場者数:652人 天候:曇 気温:27.8℃
|
|
|
|
スターティングメンバー GK 30修行 DF 22森川 4雑賀 26深津 2津田 MF 8石堂 24大前 15柳崎 11酒井 FW 10蒲原 14山腰
リザーブメンバー 1渡辺 18李 25齋藤 5山崎 16金 13飯塚 19大江
得点 21分山腰 79分山腰 89分飯塚
交代 79分 金(←山腰) 82分 飯塚(←蒲原)
警告 18分 警告 酒井 55分 警告 深津 56分 警告 雑賀 59分 警告 柳崎
|
|
「Jリーグへの門番」王者・Honda FCと激突
後期リーグ開幕後、無傷の3連勝中のゼルビア。戸塚監督が、前期リーグ終了時に語った「後期の王者を目指す。そうすれば、自ずとJリーグ昇格条件である4位以内に入ることもできるはずだ」という目標通り、リーグ唯一の3連勝のスタートダッシュに成功。ライバルから頭一つ抜け出している。 前節、ホーム・町田市立陸上競技場に集った3,861名の観衆の前で、強豪・ガイナーレ鳥取に勝利。今節は敵地で昨年度王者・Honda FCとの対戦と、厳しい戦いが続くが、前節の勢いそのままに勝利したいところだ。 「佐川印刷、流経大、鳥取、そして今節のHonda FCと難しい相手との対戦が続くが、ここで昨年度王者のHondaを叩いて4連勝することができれば『ゼルビア強し!』とリーグ全体にアピールすることができる」と試合前に語った戸塚監督。Honda FCとの対戦は、この後期スタートダッシュが、本物の実力と知らしめるために重要な戦いとなった。
前線からの強力な守備で、 Hondaのパスサッカーを分断
この日は、ディフェンダー(DF)の中川が出場停止。センターバックには雑賀が起用され、深津とコンビを組んだ。それ以外のメンバーは、前節の鳥取戦と同じ。 この日も、序盤からゼルビアが自分たちのサッカーを披露し、主導権を握る展開となった。 Hondaは、ダイレクトパスを多用し、一人ひとりが少ないタッチ数で細かいパスをつなぐサッカー。そのパスサッカーに、ゼルビア自慢の前線からの強烈なプレスが襲いかかった。FWの蒲原、山腰、2列目の酒井、柳崎が激しいチェイスで前線から追い込む。苦しい体制からHondaが縦パスを入れるころには、パスコースがすでに限定されており、連動してボールを奪うことができた。パスを奪うと、ファーストディフェンダーとして機能したFWの山腰や蒲原らがボールより相手ゴール近くにいるので、カウンターもしかけやすい。パスを多く繋ぐポゼッションサッカー、自慢のプレスでボールを奪ってからの手数をかけずに素早く攻めるショートカウンター。二つの攻撃スタイルを使い分けながら、Honda相手に攻勢をかけ続けた。
カウンターから、 山腰のスライディングシュートで先制点
前半18分、右サイド、自陣深いエリアでフリーキックを獲得。石堂がすばやくリスタートし、前を走る森川へ。右サイドをドリブルで突破した森川が中央の山腰へパス。ペナルティエリア外から山腰がグラウンダーのシュートを放ったが、相手GKがセーブしゴールならず。 前半21分、左サイド、自陣でボールを持った津田がハーフウェーライン付近の蒲原へロングボールの縦パス。これがカウンターとなり、前にスペースを見つけた蒲原がスピードに乗ってドリブル。カバーに入った相手ディフェンスを巧みなフェイントでかわし、左サイドから中央へ進路を変更しペナルティエリア内に侵入。この時点でゼルビアと相手選手は2人対2人の数的同数に。シュートレンジまで蒲原が進み、自然と相手選手2人の注意が蒲原に向くと、ファーサイドへ走り込んだ山腰めがけてキーパーとディフェンダーの間にラストパス。懸命に走りこんだ山腰がスライディングシュートを決めて先制ゴール!
|
|
前年度王者Honda FCをゼルビアが圧倒!
前半35分、左サイドの津田、中央の雑賀、右サイドの森川と自陣でパスがつながりサイドチェンジ。森川がスピードに乗り、対面した相手DFを振り切りゴール前へクロス。中央で混戦となり、こぼれ球を拾った蒲原がゴールに背を向けた状態から、振り向き様にシュート。相手GKが横っ飛びで防ぎ、惜しくも追加点はならず。 前半44分、センターバックの深津が、ハーフウェーライン付近で相手の縦パスをカット。素早い判断から、ダイレクトで右ワイドにポジションをとっていた酒井へパス。ボールを受けた酒井が、一気にドリブルでゴール前へボールを運び、中央へ折り返し。山腰がヘディングで合わせると、ボールはゴールの中に吸い込まれるかに見えたが、相手GKが後方に飛びながらギリギリでボールをかき出しゴールならず。 前半は1-0のまま終了。ゼルビアが終始、Honda陣内でプレーし続けた印象の前半だった。前半のシュート数はゼルビア10本に対しHondaは0本。
後半は、お互いが持ち味を発揮する一進一退の攻防
後半は、このままでは終われないHondaが意地を見せて反撃を開始。ゼルビアも前半同様、良い内容のサッカーを披露し、お互いが好機を作る拮抗した展開となった。 後半8分、攻撃参加した津田が左サイドから中央へセンタリング。ファーサイドでフリーで待っていた石堂が右足でシュート。相手GKに弾かれるが、そのこぼれ球がゴール前へ! ボールに触れれば、相手ゴールに押し込めそうなビッグチャンス。相手選手と競り合いながらこぼれ球へ走り込んだ山腰が、倒れ込みながら懸命に足を伸ばし、相手より先にボールをプッシュ! しかし、惜しくもポストにあたりゴールならず。 後半12分、左サイドを崩したHondaが中央へセンタリング。ペナルティエリア内でフリーで強烈なシュートを撃たれたが、GK修業がキャッチ。 後半20分にもゼルビアのピンチ。左からのショートコーナーを中央に放り込まれ、Hondaの選手がフリーで強烈なヘディングシュート。修行が後方に仰け反りながら指先でボールに触わると、ボールはバーを直撃。なんとか失点は免れた。 |
蒲原・山腰のホットラインで追加点 ロスタイムには飯塚ダメ押し点
徐々に強まるHondaの攻勢を耐えるゼルビア。DFラインと修行が中心となって、Hondaの攻撃を跳ね返し続けた。センターバックとして出場した雑賀は、鋭い読みと、カバーリングでDFラインを引き締めた。 一方的な展開だった前半よりはHondaの抵抗を受けるものの、落ち着いたプレーで追加点のチャンスを伺うゼルビア。後半34分には、一瞬のスキを付いて、したたかに追加点を奪った。ゴール前、ペナルティエリア外でボールを受けた蒲原が、巧みなトラップから反転し、左前方で待つ山腰へ絶妙のスルーパス。パスを受けた山腰が、相手GKの動きを見ながら落ち着いて決めて貴重な追加点を奪った! ロスタイムにも、途中出場した飯塚がダメ押しゴール。同じく途中出場した金のロングパスを受けてDFラインのウラへ飛び出し、快足を活かしてそのままGKとの一対一に持ち込んだ |
|
|
|
ゼルビア破竹の4連勝! Jリーグ昇格条件「4位」もすぐそこ!
試合は、3-0で終了。終わってみれば、後半途中にHondaに攻め込まれる時間もあったものの、危なげない試合展開。昨年度王者であり、「Jリーグへの門番」とも呼ばれるHondaを相手にアウェイで完勝した。「今日の試合は、前線からの守備がはまった。高い位置で相手ボールやこぼれ球を奪うことができたことが、最大の勝因」と戸塚監督が振り返ったように、ゼルビアの強烈なプレッシングが印象に残った試合となった。 これで、破竹の4連勝。上位陣が勝利したため、前節から順位に変動はないが、Jリーグ昇格条件の4位以内とは勝ち点4差にまで迫っている。ここのところの攻撃陣の好調で、得失点差も+1となった。 次節は、8月2日(日)、ホームでMIOびわこ草津と対戦する。びわこはゼルビアと同じ勝ち点32。順位は、得失点差で上回るびわこが一つ上の9位につけている。酒井と柳崎が出場停止となるが、代わりにスタメンに抜擢される選手の奮起に期待したい。
戸塚監督 試合後の談話
ーー今日の試合の感想は? 今日は試合の入り方が良かった。選手たちが、試合のスタートから強い気持ちを持って戦ってくれた。前線で相手ボールを何度も奪うことができたことが、最大の勝因。
ーー試合前に選手たちに伝えたことは これまで3連勝してきた相手も難敵揃いだったが、今日、Hondaを倒すことができれば、いよいよ自分たちの実力をリーグ全体に伝えることができる。 前期リーグは悔しい試合も続いたが、勝利して自分たちの実力を見せてやろう、と伝えた。 戦術的な面では、Hondaはダイレクトパスを多用するパスをつなぐサッ カー。前線から強くプレッシャーをかければ、かならずミスが増えてくる。前からアグレッシブに行って、相手のミスを誘ってボールを奪おう、と伝えた。
ーー次節へ向けて 次節は中川に加え、酒井、柳崎と累積警告による出場停止が多い。現在、出場機会の少ない選手の視点に立てば、これはチャンス。奮起に期待したい。
山腰選手 試合後の談話
ーー今日の試合の感想は? 自分がゴールを決めて、チームが勝利できたことを素直に喜びたい。パスを繋いでくれた味方に感謝したい。 昨年度王者のチームを倒し、連勝を続けることができたことはチームにとって大きな自信になると思う。
ーー次節への意気込み 現在は相手がどこであろうと負ける気がしない。自分たちの攻撃的スタイルを貫き、5連勝してみせる。
|
|
リリース掲載日:2009年7月27日 |