第11回 日本フットボールリーグ 後期第7節 FC町田ゼルビア vs. 三菱水島FC
日時:8月16日(日) 14:00 KICK OFF 会場:町田市立陸上競技場 入場者数:2,408人 天候:晴 気温:32.7℃
■試合記録 FC町田ゼルビア 1-1 三菱水島FC 前半0-1
得点 33分 三菱水島FC 48分 飯塚
FC町田ゼルビア スターティングメンバー GK 30修行 DF 22森川 4雑賀 6中川 18李 MF 8石堂 24大前 15柳崎 16金 FW 13飯塚 11酒井
リザーブメンバー 1渡辺 25齋藤 27疋田 20半田 19大江 17柏木 29ブルーノ
途中交代 61分大江(←金) 74分半田(←石堂) 82分ブルーノ(←飯塚)
警告 59分 警告 石堂 79分 警告 森川 |
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町田倍増計画 第2弾
少し動くだけで汗が噴き出し、肌がジリジリと焼けるような気候の中、三菱水島FCとの後期第7節が行われた。 この日は、ゼルビアの後期リーグ反転攻勢プロジェクト「8.16町田倍増計画」の第2弾。会場では、FC町田ゼルビアのマスコットキャラクター「ゼルビー」が初めてサポーターの前に姿を現し、お披露目会を行なった。町田市立陸上競技場には、2,408名の観客が集まった。 試合前には、8月6日に永眠された、FC町田ゼルビアの創設者であり、町田サッカー協会第2代理事長である重田貞夫氏へ黙とうが捧げられた。 |
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photo/Kohichiro YAMADA |
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主力選手を多く欠く状況 チーム内の競争は激化
前節は、アウェイで、ゼルビアと同じく「Jリーグ準加盟クラブ」のV・ファーレン長崎と対戦しスコアレスドロー。前節も、酷暑の中での試合。それでも、ゼルビアは最後まで足を止めずに試合の主導権を握り、長崎ゴールを目指したが、ゴールを奪うことができなかった。 第5節のvs. MIOびわこ草津に引き続き、2戦連続の引き分け。どちらも互角以上の戦いができていただけに悔しい結果ではあるが、4勝2分けと後期リーグの無敗は続いている。後期第6節の終了時点で、無敗はゼルビアのみ。 今節は、負傷や警告の累積により、攻撃、守備の両面で主力選手の欠場が相次いだ。ディフェンスの要として先発出場が続いていた深津と津田が累積警告により出場停止、オフェンスの要の山腰と蒲原は負傷により欠場した。 苦しい状況ではあるが、先発出場のチャンスが増えたことによって、この一週間、チーム内の競争意識は激化。新加入のブルーノ・カスタニェイラが初のベンチ入りを果たした。
立ち上がりは、 運動量豊富なゼルビアが主導権
試合の立ち上がりは、ゼルビアが主導権を握った。 選手たちが、活発に動き回り、ボールをキープ。中盤の選手やサイドバックの積極的な飛び出しでマークがずれると、効果的な縦パスが入り、三菱水島ゴールへ迫った。 左サイドバックとして、前期第3節以来の先発出場となった李が、積極的に攻撃参加。高い位置まで飛び出して、攻撃の起点となった。攻撃的ミッドフィルダーとして先発した金も、運動量豊富に動き回り、チャンスを演出した。 前半5分、酒井が、右サイドのハーフウェーライン付近から、左サイドのスペースへ向かって勢い良く走り出した李へロングパス。パスを受けた李は、三菱水島陣内に侵入し、ゴール前中央エリアにいた金に縦パスを送った。金がペナルティエリア左角あたりにいる大前へダイレクトでパスを送ると、パスを受けた大前はファーサイドへ走り込んだ柳崎へ向けてクロス。しかし、前に飛び出した相手GKと競り合った柳崎がファウルをとられてゴールならず。前半6分、左サイドでボールを持った金が、大前との壁パスで抜け出し、ペナルティエリア内からシュート。しかし、これは相手GKにキャッチされてしまった。前半10分、ペナルティエリア右角でボールを受けた金が、右サイドゴールライン付近まで攻撃参加していた森川へ縦パス。森川がゴール前へクロスを送ると、ニアサイドへ走り込んだ酒井のもとへ。ゴールに背を向けてボールを受けた酒井は、反転しながら振り向きざまに右足でゴールを狙ったが、惜しくもワクを外れゴールならず。
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photo/Kohichiro YAMADA |
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この日、初めてのピンチでまさかの失点 前半は1点ビハインド
序盤から何度もチャンスを作り、三菱水島ゴールに迫るゼルビア。先取点も時間の問題かと思われた。しかし、前半も20分を過ぎたころからは、徐々に攻めあぐねる展開に変化。中盤やDFラインではパスが回るものの、効果的な縦パスがでない。慣れない布陣のせいか、酷暑のせいか、序盤は活発だった前線のパスをひき出す動きも、時間が進むにつれて徐々に少なくなり始めていた。 攻めあぐねるものの、特にピンチも与えない展開。ボールをキープしながら攻撃の機会をうかがうゼルビアと、まず守備を固めて失点を防ぐ三菱水島。このような構図で試合が進んで行くのかと思われた前半33分、一瞬のスキを突かれ、三菱水島FCに先取点を奪われてしまう。 ゼルビアのDFライン裏のスペースに出された縦パスに、相手選手が反応。ペナルティエリア内右サイドでボールを受けると、飛び出してきたGK修行と競り合いながらもボールをキープ。後方にフォローに入った相手選手へボールを下げると、パスを受けた選手が、修行のいないゴールへ流し込んだ。 ピンチらしいピンチのなかった展開の中での、まさかの失点。前半の残りの時間は、「本当はあってはならないことだが、失点して目が覚めたところもある」と飯塚が語るように、ゼルビアが再び活発に攻撃をする時間帯が続いた。 前半36分、森川がペナルティエリア内右サイドにいる大前へロングパス。大前は、巧みなトラップでボールをコントロールし、ボールをフワリと浮かせて、マークにつく相手選手と体を入れ替えた。そのまま頭でボールをコントロールし、シュート体勢に入ろうとする大前に、相手選手の高く上げた足が当たりファウル。ペナルティエリア内で間接フリーキックを獲得した。相手選手全員がペナルティエリア内に戻りブロックを形成する中、酒井が右足で強烈なシュート。しかし、これは惜しくもワクを外れてゴールならず。 失点後はゼルビアが積極的に攻め続けたが、結局、ゴールは奪えず、前半は0-1のまま終了した。
酒井の粘りから、飯塚の同点ゴール 逆転へ向けて理想的な立ち上がり
「ゼルビアがボールを支配しながらも、守備を固める相手に対し攻めあぐねるという展開は予想通りだった。ある程度、苦戦するとも思っていたが、前半に失点するのは予想外だった。」と戸塚監督が語るように、まさかの1点ビハインドで前半を終えたゼルビア。後半も立ち上がりから猛攻をしかけた。前線から積極的に相手ボールにプレッシャーをかけ、高い位置でボールを奪った。 後半3分、その積極的な姿勢が、早くも成果となって表れた。ペナルティエリアすぐ外で、ボールを大きく蹴り出そうとする相手DFに酒井がプレス。相手DFが慌てて蹴ったクリアが、酒井が必死に伸ばした右足にあたり、ペナルティエリア右サイドで待つ飯塚のもとへ。飯塚は、カバーに入った相手DFのタイミングを巧みに外し、GKと一対一のビッグチャンス。右足を思い切り振り抜き、ニアサイドを打ち抜いた。 目の前のゼルビアサポーターに向かって何度もこぶしを突き上げる飯塚。「勝利のためには最低2点が必要。序盤にまず1点取れたことが嬉しかった。ホームで敗戦はありえないと思っていた(飯塚)」。 その後も、積極的に攻め続けるゼルビア。しかし、やはり酷暑のせいか、好成績を残している後期リーグの戦いぶりと比較すると、時間が進むにつれて運動量が減ってきていた。すると、後半15分、戸塚監督はすかさずMF金に代えてFW大江を投入。酒井を2列目気味に下げて、大江が最前線のポジションに入った。 後半20分には、柳崎との壁パスで大江が左サイドを突破。ゴール前へグラウンダーのラストパスを送ったが、相手DFにクリアされてしまった。 その大江の突破で得たコーナーキック。石堂の左足によってゴール前へクロスが送られると、雑賀が打点の高いヘディングシュート。フワリと弧を描いたボールは相手GKの頭上を超えて、ゴールに吸い込まれるかに見えたが、カバーに入っていた相手選手がゴールライン上ギリギリでヘディングでボールをクリアし、惜しくもゴールならず。 |
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photo/Takuo ABIKO |
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1点を争う緊迫した展開 新加入・ブルーノ 公式戦デビュー
チャンスを作り出すものの逆転ゴールが奪えない展開。終盤には、半田と新加入のブルーノを投入し、さらに攻勢を強めた。 ブルーノは、プロ選手として初めての公式戦出場。逆転ゴールへ向けて、会場は興奮状態。FWとしては『痺れる』局面でのデビューとなった。 後半42分には、ペナルティエリア左角たりでボールを受けたブルーノがゴール中央へボールを運び、右足でシュート。しかし、これは相手DFの体に当たりゴールならず。 |
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Photo/Kohichiro YAMADA |
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今週末は天皇杯・東京都予選 初戦は、「因縁」の明治大学
結局、試合は1-1のまま終了。多くの時間帯で主導権を握り、後半は猛攻をしかけたが、逆転ゴールを奪うことができなかった。これで3戦連続のドロー。後期無敗は続いているが、ホームで悔しい引分となった。 これで、JFLは約2週間の中断期間に入る。ここから2週間は、天皇杯予選となる東京都サッカートーナメントが開催される。8月22日に開催される1回戦の対戦相手は、明治大学。一昨年の同大会で対戦し、天皇杯出場への道を断たれた因縁の相手だ。 まず天皇杯本戦への出場権を獲得し、9月6日のリーグ再開を迎えたい。 |
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リリース掲載日:2009年8月17日 |