第11回日本フットボールリーグ 後期第9節 FC町田ゼルビア vs. FC琉球
日時:9月13日(日) 13:00 KICK OFF 会場:町田市立陸上競技場・東京都 入場者数:2,374人 天候:晴 気温:27.6℃
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■試合記録 FC町田ゼルビア 1-0 FC琉球 前半1-0
得点 43分 御給
FC町田ゼルビア スターティングメンバー GK 30修行 DF 25齋藤 6中川 26深津 2津田 MF 8石堂 24大前 15柳崎 11酒井 FW 13飯塚 3御給
リザーブメンバー 31三栗 4雑賀 18李 16金 10蒲原 14山腰 19大江
途中出場 63分 蒲原(←飯塚) 76分 金(←柳崎) 87分 雑賀(←御給)
警告・退場 29分 警告 飯塚 31分 警告 酒井 62分 警告 中川 82分 警告 齋藤
約1ヶ月振りの、 ホーム・野津田での試合 約3週間の中断期間が終わり、先週からJFLが再開した。再開初戦となった前節は、アウェイでアルテ高崎に3-0の快勝。順位は今季最高の7位に浮上し、幸先の良いリスタートをきった。 ゼルビアは、後期リーグが開幕してから8試合を消化し、いまだ無敗。ブルーノや御給といった新戦力のJリーグクラブからの加入。さらに、負傷離脱していた蒲原や山腰の戦列復帰と、選手層が厚くなってきている。「練習から緊張感が生まれ、良いトレーニングができている」と主将の酒井が語るように、チーム状態は上向きだ。 後期無敗と好調のゼルビアが、約1ヶ月振りにホーム・野津田に帰ってきた。
FC琉球総監督・トルシエ氏も来場 意気込むFC琉球
この日の対戦相手は、第15位(後期第8節終了時点)のFC琉球。順位はゼルビアより8つ下だが、ここ3試合は1勝2分けと安定した戦いを見せている。ヴェルディ川崎(当時)や清水エスパルスで活躍した永井秀樹や、元・日本代表の山下芳輝を擁し、攻撃力には定評がある。今季の総得点は30と、ゼルビアより3つ多い。 会場には、FC琉球の総監督を務める、2002年日韓W杯日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏も来場。観客席から鋭い視線を送った。FC琉球の気合の高さが伺えた。
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photo/Takuo ABIKO |
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新加入の御給 匠 いよいよ野津田デビュー
この日は、快勝した前節のアルテ高崎をベースとしたメンバー。前節は出場停止だった深津が先発に復帰し、中川とセンターバックを組んだ。加入後、初のホームゲームとなる御給も先発出場。飯塚とツートップを組んだ。「とにかくゴールを決めたい。俺のゴールでゼルビアを勝利に導いて、サポーターに認められたい」。試合前の御給の発言からは、ホームデビューに向けて闘志が漲っていた。
序盤からゼルビアが主導権 「我々の狙い通りのサッカーができた(戸塚監督)」
試合は、序盤からゼルビアが主導権を握った。細かいパスを繋ぎながらボールをキープし、琉球を相手陣内に押し込んだ。DFラインを高く保ち、サイドバックの津田と齋藤が攻撃の起点として機能した。「前半は、我々が狙いとするサッカーができた」と戸塚監督が試合後に語ったように、まさに「ゼルビアの攻撃の形」がフィールドに描かれていた。 試合開始からまだ1分もたたない内に、この日最初のチャンス。ゴール前中央に送り込まれたボールに御給が頭で合わせると、さらにそのボールに大前が飛び込んだ。しかし、これはわずかにタイミングが合わず、ゴールならず。前半4分には、右サイド、ハーフウェーライン付近でボールを持った酒井が、左サイドのスペースに走り込む飯塚へ向けてグラウンダーのロングパス。パスを受けた飯塚がドリブルで相手選手を一人かわし、ペナルティエリア内に侵入したが、フォローに入った相手DFに阻まれシュートは打てなかった。
身長差25cm 御給と飯塚のツートップが攻撃を牽引
攻撃の中心となったのは、御給と飯塚のツートップ。御給は中央のエリアを細かく上下動しながら、中盤からのボールを何度もひき出した。さらに、DFラインからのロングボールのターゲットとしても貢献。体を張ってロングボールに喰らいついた。一方の飯塚は、御給の周りを衛星のように動き回りチャンスを演出。密集したエリアで踏ん張る御給とは対照的に、相手DFラインの裏やサイドなど相手守備の手薄なところにタイミング良く飛び出し、ゴールを狙った。身長187cmの御給と、身長162cmの飯塚。「タイプがまったく違うのでやりやすい」と口を揃える身長差25cmのツートップが、ゼルビアの攻撃を牽引した。 前半22分、右サイドでボールを受けた柳崎が鋭いクロスを送ると、ゴール前へ走り込んだ大前がヘディングシュート! しかし、これは、わずかにワクを外れてゴールならず。 前半30分、右サイドをオーバーラップした齋藤にDFラインからロングパス。ロングボールを受けた齋藤が、後方にフォローに入った飯塚へ頭で落とすと、飯塚がゴール前中央へグラウンダーのパス。パスを受けた柳崎が相手DFのマークを引き離し、右足でシュートを狙ったが、カバーに入った相手DFの体に当たりゴールならず。 |
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photo/Takuo ABIKO |
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ホームデビュー戦で初ゴール 御給の一撃が野津田に歓喜をもたらした
試合の主導権を握り、チャンスは作り出すものの、なかなか得点が奪えないイヤな展開。前半も残りわずかとなり、スコアレスのまま終了と思われた前半43分、試合前に「ホームデビュー戦ゴール」を宣言していた御給が、野津田に歓喜をもたらした。 右サイドバックの齋藤が、ハーフウェーライン、中央エリア付近で相手のクリアボールを拾うと、石堂との壁パスで相手中盤のプレスを突破。相手MFとDFラインの間に潜り込むと、DFラインのウラを狙って左前方を走る飯塚へパス。飯塚は、反転してそのままタテに突破するかに見えたが、ゴール前中央に走り込む御給へのスルーパスを選択。待ち構えていた御給が、追いすがる相手DFをブロックして倒れ込みながらも右足を一閃。狙いすましたシュートが、ゴール右隅に突き刺さった。 歓喜が爆発する野津田。「喜びを体で表現しました」という御給は、ゴールを確認すると、そのままメインスタンドに向かって走り、何度もガッツポーズを繰り返した。 |
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photo/Takuo ABIKO |
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photo/Masahiro URA |
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photo/Takuo ABIKO |
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後半も、序盤はゼルビアが主導権 追加点も時間の問題か?
理想的な時間帯に先取点を奪った勢いそのままに、後半も序盤からゼルビアがペースを掴んだ。後半10分までに立て続けにチャンスを作りだした。後半1分、左サイドからのグラウンダーのパスを中央で受けた飯塚が、ダイレクトでそのままシュートを打ったが、これは僅かにワクを外れてしまった。前半2分には、右サイドを突破した柳崎がペナルティエリア内からシュート。しかし、相手DFに当たりゴールならず。さらに、前半7分には左サイドをドリブル突破した津田が柳崎へスルーパス。柳崎はペナルティエリア内に侵入したが、相手DFに阻まれてゴールならず。
この日、最大のピンチ GK修行が体を張ってシュートをブロック
ゼルビアの追加点も時間の問題という試合展開。すると、FC琉球は早めに交代のカードをきって打開を計った。後半11分には、FW原賀に変えてFW杉山を投入。さらに、後半14分には、左サイドバックの石川に代えて、DFの田上を投入した。 27.8℃という暑い気温も影響したのか、試合が進むに連れて徐々に足が止まり出すゼルビアの選手たち。琉球は早目の交代策が功を奏し、徐々に主導権を握り始めていた。さらに、献身的な動きで攻守に渡って貢献していた柳崎が負傷交代。代わりに入った金も、中盤を走りまわって流れを引き戻そうとしたが、勢いに乗る琉球の攻勢を止めることはできなかった。 後半33分には、この日最大のピンチ。積極的な攻撃参加でゼルビアの右サイドを崩していた、琉球の田上にスルーパスが通り、GK修行と一対一。これは、タイミングよく飛び出した修行が体で防いだが、そのこぼれ球が、琉球のFW山下の元へ! 修行が飛び出したことで、無人化するゼルビアのゴール。絶対絶命のピンチだったが、山下がシュートを上にふかし、何とか失点は免れた。
最後は、FWの御給に代えてDFの雑賀を投入。守備を固めたゼルビアが1点を守りきり、ホーム・野津田で連勝を飾った。これで、勝ち点は41となり順位は6位となった。後期リーグは9試合無敗。後期リーグだけの成績では首位を独走中だ。
試合後、戸塚監督は「前期は勝てずに苦しんだ。後期は、選手たちが勝ちつづけることの厳しさを思い知りながら戦っている。今後の8試合、もっと選手たちは成長してくれるはずだ」と、これからの戦いへの思いを語った。JFLも残り8試合。ゼルビアの、クラブ史上初のJFLでの戦いも、いよいよ佳境を迎えている。 |
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Photo/Masahiro URA |
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この日、9月11日(金)に逝去した沖野 等 強化育成部長を偲び、試合前に黙とうが行われました。また、多くの方にご記帳、ご献花いただきました。誠にありがとうざいました。 |
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リリース掲載日:2009年9月14日 |