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試合リポート JFL前期第4節 V・ファーレン長崎 vs. FC町田ゼルビア

第12回日本フットボールリーグ前期第4節
日時:4月4日(日)13:00 KICK OFF
会場:長崎県立総合運動公園陸上競技場
入場者数:2,914人
天候/気温:晴のち曇/19℃
 
V・ファーレン長崎 0-1 FC町田ゼルビア

■得点
後半38分 勝又

■スターティングメンバー
GK 22吉田
DF 3藤田 19永野 24川邊 2津田
MF 6太田 15柳崎 28星 13飯塚
FW 7勝又 33木島

■リザーブメンバー
1修行 18齋藤貴之 16斎藤広野 14大前 20半田 11酒井 9山腰

■途中交代
64分 酒井(←星) 74分 斎藤広野(←津田) 86分 勝又(←山腰)

■警告/退場
68分 警告 津田


Jリーグ準加盟同士の対決
アウェイで接戦を制す


 JFL前期第4節、FC町田ゼルビアは長崎県立総合運動公園陸上競技場でV・ファーレン長崎と対戦し、1-0の勝利を収めた。
 V・ファーレン長崎は、ゼルビアと同じく2008年の全国地域リーグ決勝大会でJFL昇格を決め、09年2月に「Jリーグ準加盟クラブ」として承認を受けた、いわばライバルともいえるクラブ。これまでの通算対戦成績も、1勝2分1敗と全くの互角となっており、厳しい戦いになることが予想されたが、前節のツエーゲン金沢戦で復活のゴールを決めた勝又の2試合連続となる決勝ゴールによって敵地でライバルを退けた。
 今季アウェイ初勝利となるこの日の勝利で3連勝。順位は、首位のガイナーレ鳥取と勝ち点10で並ぶ2位にまで浮上している。
 次節は、ホーム・町田市立陸上競技場で栃木ウーヴァFCと対戦する。栃木は、これまで関東地域リーグで何度もしのぎを削って来たクラブ。お互いの意地がぶつかり合う激しい戦いになりそうだ。

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ゼルビアの攻勢
チャンスを次々と演出

 
 試合は、立ち上がりから、2連勝の勢いそのままにゼルビアがペースを掴む。前半4分には、セットプレーから最初のチャンス。右サイドでコーナーキック(CK)を得ると、キッカーを務めた星からの鋭い弾道のボールに川邊が頭であわせ、打点の高い強烈なヘディング! しかし、これは相手GKのファインセーブによって得点にはならず。
 さらに、前半8分には好調を維持するツートップ、木島・勝又が相手ゴールに襲いかかる。相手ゴール前のペナルティエリア内でこぼれ球に反応した勝又、木島が立て続けにシュート。しかし、これは相手DFが身体を投げ出してシュートコースに入り、ブロックされたためゴールならず。
 次々とチャンスを演出するゼルビア。前半12分には、前所属クラブであるロアッソ熊本の熱烈なサポーターからの応援も受けていた木島が、大きな見せ場を作る。右サイドの星から中央へクロス。ファーサイドでDFのマークを外して走り込んだ木島がヘディングで合わせたが、これは相手GKのファインセーブによりゴールに至らず。

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緊張が続く膠着状態
両チームともに攻めあぐねる展開


 この後、しばらく膠着状態が続く。両チームともに中盤での守備が激しく、前線でパスが繋がらない。これまでの町田と長崎の戦いを想起させるような、一進一退の攻防となった。
 膠着状態の中、長崎がゼルビアのスキを突いて前半36分にチャンスを迎える。津田のパスを相手MFが高い位置でインターセプト。一気にスピードアップしてカウンターを仕掛け、すぐにゴール前までボールを運ぶと、5対3の数的不利な状況から、長崎の選手がフリーな状態で強烈なシュート。これはワクを外れ、難を逃れた。決定的なピンチだったが、相手のミスに助けられた格好となった。
 両チームが激しくせめぎ合う展開になり、次第に試合が動く気配が漂い始める。前半38分、右サイドでボールを受けた木島が、中央へ向かって勢いよくドリブル突破。ペナルティエリア内に侵入したところで、鋭く、深い切り返しから相手DFを外してシュート。しかし、これは相手DFが、間一髪、足に当ててゴールならず。対する長崎も、前半43分、ペナルティエリア中央で相手FWが素早い反転からシュート。これはゴールポストギリギリのところで外れた。

長崎の意地の反撃
ゼルビアゴールに襲いかかる


 後半の立ち上がりからはホームの長崎が主導権を握る展開。後半1分、長崎の右サイドからのクロスが中央で混戦に。そのこぼれ球を拾った相手FWが鋭い切り返しでDFを振り切り、ゴールエリア内からフリーで強烈なシュート。至近距離からのシュートに、ゼルビアのDFやGK吉田も見送ったが、ボールは幸運にもゴールポストに直撃し、失点を免れた。
 後半16分には、長崎のFWがゴール前でフリーとなりシュート。これはゼルビアDFが身体を張ってシュートをブロック。続いて後半31分、左サイドのゴールライン付近で相手選手が粘ってボールをキープ。ドリブルで中央へ進み、フリーでシュート。これはGK吉田がファインセーブ。
 長崎は、Jリーグ準加盟のライバルから勝利をもぎ取ろうと必死に攻めたてたが、ゼルビアは最後のシュートの場面で相手選手を懸命にブロックして、強固なディフェンスを見せた。

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待望の先制点
木島の突破から、勝又の2試合連続ゴール


 この日の長崎は20℃近くまで気温が上がり、後半になると選手の体力を奪っていった。すると、相馬監督は後半19分に星に変えて酒井、後半29分に津田に変えて斎藤広野を投入し、フレッシュな選手でゲームの流れを戻そうと試みる。
 後半38分、前節、野津田で一番の歓声を浴びた男が、またやってくれた。
 ペナルティエリア外、中央やや右よりの位置から木島がドリブルを開始。相手3人に囲まれながらも巧みなステップで相手にボールを奪われずにエリア内に侵入し、ゴール前へ鋭い弾道のグラウンダーのクロス。これを、ファーサイドで待っていた勝又が左足で落ち着いてコントロールして右足でシュート。木島のドリブル突破に対応しようとしていた相手GKは、完全にタイミングが遅れ、勝又のシュートに反応できない。勝又のシュートは勢い良くゴールに突き刺さった。
 これで勝又は2試合連続ゴール。ゴールに繋がった木島のドリブルはこの試合を通して相手DFにとって脅威になっており、先制点の立役者となった。

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苦しんだ末での「勝ち点3」
今後に向けて、価値ある1勝


 後半41分に、値千金のゴールを決めた勝又に代えて山腰を投入。試合はこのまま終了し、ゼルビアがアウェイで貴重な勝ち点3を手に入れた。相手が決定機を作る場面もあり、互角の展開だったが、しぶとい守備と、決定機を確実にものにする勝又の活躍で勝利を掴んだ。
 3試合連続完封中のディフェンスラインとGKは、5人中4人が新加入となっているが、最後のシュートを撃たれる局面では、体を張って守ることができており、安定感が試合を重ねるごとに増している。「選手たちが最後の部分で身体を投出してブロックしてくれたおかげで無失点に抑えることができた。もちろん、攻撃も守備もまだまだ課題はあるが、その集中力であったり、気迫の部分が今日は優れていたと思う(相馬監督)」。
 ボールへの飽くなき執念、勝利への渇望という点で、相手を上まったことが、勝利という結果を呼び込んだ。このような苦しい試合展開の中、アウェイでしぶとく手にした勝利の価値は大きい。次節は4月11日(日)に町田市立陸上競技場で、栃木ウーヴァFCと対戦する。

photo/Takuo ABIKO
text/Kenji MEGURO

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リリース掲載日:2010年4月5日
 
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